次の会社が見つかる前に退職届

自分は、会社を退職する3か月前から転職活動を開始しました。なぜ転職することにしたのかというと、会社の業績が長年悪化し続けていて、赤字決算が5年続いており資金繰りが厳しくなってきたためです。転職活動を開始する3か月前には、全社員に対して、給料を一律15%カットという措置もとられてしまい、自分の生活設計が狂ってしまっていました。

そこで、転職活動をすることにしたのです。自分は経理部の課長をしていましたので、とくに人材紹介エージェントに登録して、転職活動をしました。課長クラスの転職の場合は、転職サイト経由で探すよりは、人材紹介エージェント経由で探した方が、課長職ポストは見つかると考えました。

はじめは、次の転職先が決定してから、会社に退職届を提出するつもりでいたのですが、転職活動をしていて、感触の良さを感じるようになりましたので、次の会社が見つかる前に上司である経理部長に退職届を提出しました。その日の朝、早めに出社して会議室をおさえて、上司の経理部長に重要な相談があるので会議室にきてくださいと言って、会議室で退職届を渡しました。経理部長は驚いた表情を見せました。そして、退職したい理由を教えてくれと、私に聞いてきました。私は、「会社の業績悪化と給料の15%カット」を理由に挙げました。そして、ビジネスの進展の見込みがないので、次はリストラが実施されると思うので、その前に自分から転職することにしたと、伝えました。

経理部長からは、慰留されました。業績はこれから上向くと思うから、いま辞める必要はないと言われました。しかし、あまり熱心に私を慰留するというよりは、経理部長自身の人事評価が悪くなることを恐れて、部下の私が退職することを引きとめたいという消極的な動機に基づいて私を慰留しているように見えました。私は、形式的に1日考えさせてくださいと伝え、翌日、あらためて部長に「退職の意思は変わらない」と伝え、退職が決定しました。

労働関係の法律では、従業員は退職届を提出してから2週間後に退職することが可能と定められています。従業員は自分の意志のみで退職が可能です。上司や会社の承認は不要です。しかし、会社の就業規則では、「退職する場合は、退職日の1か月前に会社に申し出ること」と定められています。これは、仕事の引き継ぎや人材の補充などの理由もありますので、就業規則の定めも不合理とは思えません。このため、私の退職日は、経理部長に申し出てから1ヶ月後とすることになりました。

私の退職日が決定してからは、私は自由になった気持ちになりました。そして、残っている有給休暇をすべて消化することにしました。そのうえで、退職日までの出社日に、引き継ぎを済ませることにしました。私の後任はおらず、他の経理部の複数の社員に仕事を分担してもらうことになったようでした。赤字経営ですから、新たに人材を雇用できないのだと思いました。同じ経理部の同僚への引き継ぎははスムーズに進みました。

この間も、転職活動を継続させていました。そして、人材紹介エージェントから連絡があり、ベンチャー企業で経理課長を募集していると教えてもらいました。年収や勤務地なども希望条件に合致しているので応募してみてはどうかと勧められましたので、応募することにしました。書類選考を通過して、1次面接に進むことになりました。事前に、人材紹介エージェントに出向いて情報をもらい、模擬面接で訓練をして、そして1次面接に挑みました。これも通過することができ、結果的に最終面接もパスして、このベンチャー企業に採用されることが決まりました。会社を退職する1週間前に、採用内定通知をもらいました。本当は、1カ月くらいは無職で遊びたかったのですが、次の会社からは早く来てくれと言われましたので、退職してから10日後に入社することになりました。

会社の退職日に私は最後の出社をして、経理部の皆さんから歓送会を開いてもらいました。そして花束をもらって、皆さんにお別れをしたのです。